巨匠と言われるアルティスタに触れた貴重な経験は、私世代では結構少ないと思います。
私が、マドリ―に留学していた95年96年も、マノレーテはほとんど教えていなくて、
けれどもその名前は知っていたから、クラスが行われると聞いて受けることにしました。
記憶では、クラスに娘さんもいたと思う。
ものの数日でクラスは辞めになってしまって、なんだったのかよくわからないままアレグリアスが中途半端になってしまったが、
あの唐突なクラスの終い方も、巨匠だから、そうなのね~と自然に受け入れる。。。
日本で本間先生に習っていた時に、「これはマノレーテのソレアだよ」と言ってソレアをはじめて習ったので、憧れの気持ちを抱いてクラスを受けたら相当難しかった。
なんというか、パソ自体よりもパソをさばくたたずまいみたいなものが、正統的舞踊手そのもので、身のこなしが素晴らしかった。
今だったら、クラス内で一緒に踊らずに、見るだけにするかもしれない。そのほうが、よほど勉強になる。
当時、マドリ―では、エル・グイトやトーマス・デ・マドリ―などの巨匠も教えていて、マドリ―にいるのだから当然彼らのクラスを受けていた。
グイトは、ほぼマルカールと言っていい。ほぼマルカールの様式美。
トーマス・デ・マドリ―は、上記二人とは違って(グイトたちは男振り)女性らしい振付が素晴らしかった。何年たっても色あせない絶品な振付なので、彼の振りを踊り続けている人も多いと思う。日本ではトーマスのガロティンはよく見ます。私も教室で受け継いでいる唯一の振りつけがトーマスのガロティンなんです。
マノレーテの訃報を聞いて、思いだしたことをちょっと書いてみました。