フラメンコとは

現代では習い事の一つとして存在するフラメンコは「ダンス」ととらえられがちですが、もとは民族芸能です。地域に根差した、極めて土着のものです。では、その地域とは、

もちろんスペインで、地方は南に位置する「アンダルシア」。インドを起源とし、西に移ってきたジプシー(スペイン語でヒターノ←フラメンコを習っているとよく聞かれる言葉なので覚えておきましょう)がフラメンコの発生に大きな役割を果たしました。

カンテ・ギター・踊りによる三位一体の芸術、とはこの世界でよく言われる言葉です。CDで音楽を流し、それに合わせて踊る、というような他のダンスとは異なり、フラメンコギタリストによる独特の奏法による演奏、カンタオールによる魂の叫びのような歌、それに呼応するように踊り手は踊ります。

スペインでは、土着でうまれたフラメンコが、「カフェ・カンタンテ」の出現により舞台上に上がるものとなり、現在では「タブラオ」という形としてスペインはもとより日本など諸外国でもレストランやバーで飲食しながら鑑賞することができるようになっています。

フラメンコのイメージとしてよくある、手拍子や「オレ」という囃し言葉(ハレオと言います。)。お客さんは手拍子は打たないのがマナーです。フラメンコは、リズムが複雑なので、お客さんによる手拍子で舞台上の演者のリズムが狂ってしまうことがあるためだと言われています。代わりに、「オレ!」などのハレオはお客さんも掛けてよいので、歌舞伎の「成田屋!」などと客席から声がかかるのと似ています。

スペイン以外の国で一番フラメンコの人気が高いのが日本で、5万人が親しんでいるとも言われています。スペインのアカデミアでは日本人がクラスで占めていることも多く、アカデミアの受付が日本人だったりもします。スペイン人アーティストにとって日本はとても友好関係にある国で、たくさんのアーティストが来日しクルシージョと言われるワークショップが開催されます。

現在、フラメンコには、ジプシーの身内によって先祖代々変わらずに受け継がれてきているもの、かたや年々変貌を遂げるタイプのものもあります。後者のタイプは、昔はありえなかったようなリズムや身体使いが「よし」とされ現代のフラメンコを形作り、更に発展形を遂げフラメンコの枠から飛び出た才能あるアーティストも存在します。一方、プリミティブな形のままのフラメンコは、フラメンコの世界のすべてを内包しており、日本でもとても愛されています。

 

*フラメンコを知らない人にも分かりやすいような、専門用語を控えた一般的な表現で書いています。

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